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 ファイナルファンタジータクティクス アクションアビリティ解析
・1 はじめに
 まず、この記事で使ういろいろな記号を紹介します。

WP: 武器攻撃力X: アビリティの威力や成功率を表す特性値
A: 物理ATV: アビリティのダメージ・回復量
MA: 魔法ATP: アビリティの成功率 単位 : [%]
SP: SpeedC1: 相手との相性が悪か最悪なら 1, それ以外なら 0 
B: アビリティ使用者の Brave / 100 C2: 相手との相性が、
F1: アビリティ使用者の Faith / 100    最良なら 1.5
F2: 相手の Faith / 100    良なら 1.25
   普通なら 1
   悪なら 0.75
   最悪なら 0.5
 また、以下の説明では2種類の括弧を使います。
( ) は通常の計算順位を決める括弧ですが、 [ ] は数学で扱う「ガウスの記号」と呼ばれるもので、「括弧内の数値を超えない最大の整数を求める」という処理を含みます。 今回は括弧内の数値が常に正の数になるように扱うので、単純に「括弧内の数値の小数点以下を切り捨てる」記号と考えれば大丈夫です。
例えば、
  [2] = 2, [2.1] = 2, [2.95] = 2, [3] = 3 
となります。

 FFTのダメージ計算では、ほとんどの計算段階において小数点以下の数値が切り捨てられます。 この効果を正確に計算していくことが、アビリティのダメージ等を正確に求めるために重要になります。

・2 武器攻撃のダメージ計算法
 武器攻撃のダメージの基本式は、次のとおりです。
  V = WP × X  ※ただし、素手の場合は WP = [A × B] とする 
 Xの値は、武器の種類によって次の値が用いられます。
  素手・剣・ロッド・自動弓・槍 … X = A
騎士剣・刀 … X = [A × B]
ナイフ・忍者刀・弓 … X = [(A + SP) / 2]
杖・棒 … X = MA
楽器・辞書・反物 … X = [(A + MA) / 2]
鎚・斧・バッグ … 効果予想 : X = [A / 2] + 1
  ダメージ : X = 1 〜 A の範囲の乱数(整数)
実弾銃 … X = WP
魔法銃 … 効果予想 : X = 14 × F1 × F2
  ダメージ : X = (14 または 18 または 24) × F1 × F2 
 ここで、実弾銃とはロマンダ銃・ミスリル銃・石化銃、魔法銃とはブレイズガン・グレイシャルガン・ブラストガンのことを指します。

 各パラメータを参照する部分では、ステータス画面に表示される各パラメータの値がそのまま用いられます。 そのため、例えばヘイストやスロウでCTの速度が変化していても弓やナイフのダメージは変化しませんし、 魔法攻撃力UPをセットしていても杖や楽器のダメージが増えることもありません。

 では、実際の計算例を見てみましょう。
 レベル 1の女性見習い戦士に、ブロードソードとミスリルナイフを装備させた場合を考えてみます。

 レベル 1の女性見習い戦士は SP = 6, A = 3で、ブロードソードとミスリルナイフは両方とも WP = 4です。 しかし、剣とナイフでは用いられる計算式が違うため、ダメージも異なってきます。

 まず、ブロードソードで攻撃した際のダメージは以下の通りです。
V = WP × X , 剣の場合 X = A なので、 
= WP × A
= 4 × 3
= 12
 次に、ミスリルナイフで攻撃した際のダメージは以下の通りです。 特に、[ ] 内の数値が小数点以下切り捨てになる点に注意してください。
V = WP × X , ナイフの場合 X = [(A + SP) / 2] なので、 
= WP × [(A + SP) / 2]
= 4 × [(3 + 6) / 2]
= 4 × [9 / 2]
= 4 × [4.5]
= 4 × 4
= 16
 つまり、このユニットの場合は同じ WP = 4の武器でも、ブロードソードよりミスリルナイフの方がダメージが高くなるわけです。

 相性の影響や、プロテス等のステータスの影響などがなければ、上記のような手順だけでダメージは決まりますが、 実際には色々な条件によってダメージは細かく変動します。 それらの影響を考慮した、より詳しい計算手順を以下に示します。 ただし、魔法銃は計算手順が独特なのでここでは省略し、攻撃魔法の項目で紹介します。

(1)Xを求める。
素手・剣・ロッド・自動弓・槍 …X = A
騎士剣・刀 …X = [A × B]
ナイフ・忍者刀・弓 …X = [(A + SP) / 2]
杖・棒 …X = MA
楽器・辞書・反物 …X = [(A + MA) / 2]
鎚・斧・バッグ … 効果予想 : X = [A / 2] + 1
ダメージ : X = 1 〜 A の範囲の乱数(整数)
実弾銃 …X = WP
(2)武器の属性が強化されている …X = [X × 1.25]
(3)『両手持ち』をしている …X = X × 2
(4)『攻撃力UP』をセット …X = [X × 4 / 3]
(5)素手で『格闘』をセット …X = [X × 1.5]
(6)バーサク状態 …X = [X × 1.5]
(7)相手が『防御力UP』をセット …X = [X × 2 / 3]
(8)相手がプロテス状態 …X = [X × 2 / 3]
(9)相手がチャージ中 …X = [X × 1.5]
(10)相手がカエルかチキン状態 …X = [X × 1.5]
(11)相手が睡眠状態 …X = [X × 1.5]
(12) X = [(X + C1) × C2]
(13) V = WP × X , ただし、素手の場合は WP = [A × B] とする。 
(14)武器の属性が相手の半減属性 … V = [V × 0.5]
弱点属性 … V = V × 2

・3 魔法の効果量と成功率
 FFTには色々な魔法が登場しますが、その効果を詳しく調べると、魔法ATが魔法の「ダメージ量・回復量」に影響するか、あるいは魔法の「成功率」に影響するかによって、 大きく2種類に分けることができます。
  攻撃魔法・回復魔法 … 魔法ATが効果量に影響する。
ファイアやケアルなど、相手のHPを増減する魔法。
成功率は基本的に 100%で、相手が魔法回避しない限り必ず効果が発生する。 
  障害魔法・補助魔法 … 魔法ATが成功率に影響する。
スロウやプロテスなど、主に相手にステータス異常を付加する魔法。
相手が魔法回避しなくても失敗することがある。
効果は一通りに決まっているものや、魔法AT以外の条件によって決まるものがある。 
 さらに、その魔法が相手にとって有利な効果を持つか、不利な効果を持つかによっても2種類に分けることができます。 その違いは「シェルや魔法防御力UPの影響を受けるか」によって区別することができます。 例えば、ケアルの回復量やプロテスの成功率などは、シェルや魔法防御力UPの効果によって減少しないようになっているのです。
  攻撃魔法・障害魔法 … シェルや魔法防御力UPの影響を受ける。ファイアやスロウなど。 
相手に不利な効果を持つ魔法が該当する。
  回復魔法・補助魔法 … シェルな魔法防御力UPの影響を受けない。ケアルやプロテスなど。 
相手に有利な効果を持つ魔法が該当する。
 そこで、ここでは全ての魔法を以下の4種類に分類します。

  攻撃魔法 … 魔法ATが効果量に影響し、シェル等の影響を受ける。ファイア、サンダーなど。 
  回復魔法 … 魔法ATが効果量に影響し、シェル等の影響を受けない。ケアル、モーグリなど。 
  障害魔法 … 魔法ATが成功率に影響し、シェル等の影響を受ける。スロウ、ポイズンなど。 
  補助魔法 … 魔法ATが成功率に影響し、シェル等の影響を受けない。プロテス、シェルなど。 

 では、それぞれの魔法についての効果量・成功率の計算手順を以下に示します。

[攻撃魔法・回復魔法]
(1)各魔法ごとに決められている係数 Xを求め、X1に代入する。
X2 = MA
(2)魔法の属性が強化されている …X2 = [X2 × 1.25]
(3)『魔法攻撃力UP』をセット …X2 = [X2 × 4 / 3]
(4)相手が『魔法防御力UP』をセット …X2 = [X2 × 2 / 3] , ※回復魔法では計算されない。
(5)相手がシェル状態 …X2 = [X2 × 2 / 3] , ※回復魔法では計算されない。
(6)相手がカエルかチキン状態 …X2 = [X2 × 1.5] , ※回復魔法では計算されない。
(7) X2 = [(X2 + C1) × C2]
(8) V = X1 × X2 × F1 × F2 , ※ここでは整数化は行わない。 
(9)魔法の属性が相手の半減属性 … V = V × 0.5 , ※ここでは整数化は行わない。 
弱点属性 … V = V × 2  , ※ここでは整数化は行わない。 
(10)天候が雨で、魔法が炎属性 … V = [V × 0.75]
雷属性 … V = [V × 1.25]
天候が雪で、魔法が冷属性 … V = [V × 1.25]
[障害魔法・補助魔法]
(1)各魔法ごとに決められている係数 Xを求め、X1に代入する。
X2 = MA
(2)魔法の属性が強化されている …X2 = [X2 × 1.25]
(3)『魔法攻撃力UP』をセット …X2 = [X2 × 4 / 3]
(4)相手が『魔法防御力UP』をセット …X2 = [X2 × 2 / 3] , ※補助魔法では計算されない。 
(5)相手がシェル状態 …X2 = [X2 × 2 / 3] , ※補助魔法では計算されない。 
(6)相手がカエルかチキン状態 …X2 = [X2 × 1.5] , ※補助魔法では計算されない。 
(7) X = X1 + X2
(8) X = [(X + C1) × C2]
(9) P = X × F1 × F2
 係数 Xの値は魔法ごとに異なるため、各魔法には威力や成功率の違いが生じます。
Xの具体的な値は、各アビリティの詳細のページに記載してあります。

 ほとんどの魔法は上記の手順で効果量・成功率を求めることができますが、特別な計算手順を持つ魔法もあります。 召喚魔法のゴーレムとリッチです。

 ゴーレムは独特な計算手順を持つ魔法で、補助魔法に分類されますが、「かける対象となるユニット」がいません。 そのため、補助魔法の計算手順 (8)は無視され、手順 (9)では F2 = 1として成功率が計算されます。
 係数 X1は 200と決まっているので、ゴーレムの成功率は簡単にいうと (200 + MA) × F1 [%]となります。 つまり、MAの値にかかわらず、Faithが 50以上のユニットが使えば必ず成功することになります。
 なお、ゴーレムは召喚するとそれ以降、味方が攻撃を受けた時に自動的にダメージを肩代わりします。 肩代わりできるダメージ量は、召喚したユニットの最大HPと同じ量です。

 リッチは、障害魔法に分類され、かつ属性を持っている唯一の魔法です。 そのため、障害・補助魔法の手順 (2)はリッチに対してのみ適応されます。
 また、リッチの基本ダメージ量は相手の最大HP / 2ですが、暗属性を持っているので、 暗属性を半減するン・カイの腕輪でダメージを半減することができます。 ただし、暗属性を強化する百八の腕輪を装備してもダメージ量は上がりません。
 つまり、リッチの場合は属性強化の影響が成功率に、 属性半減の効果がダメージにというように、属性の効果が別々の要素に作用するのです。

 また、魔法銃は攻撃魔法の一種として扱われ、
  X1 = 14 または 18 または 24 のランダム 
  X2 = WP
として、攻撃魔法の計算手順を経てダメージが決定されます。
 したがって、魔法銃の威力は MAには依存せず、WPと Faith、それにアビリティやステータスなどの諸条件で決まります。