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『ディリータの裏切り』 |
オルランドゥ伯によるゴルターナ公暗殺の共謀者として捕らえられたオーランは、義父の汚名を晴らすべく脱獄、オヴェリアの元へ参上する。
そこへ現れたディリータは、公に対する裏切りを非難するオーランに、自らが“英雄”として君臨するためにはすべてを利用すると言い放った。
ディリータの言葉にオヴェリアは衝撃を受ける。
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他の荒々しい声
「奴は脱獄するときに怪我をした! 遠くへ逃げることはできないはずだ! |
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女王オヴェリア
「オーラン!! 大丈夫!?
「…ひどい怪我。 しっかりして……。 |
占星術士オーラン
「…オヴェリア様、 お伝えしたいことが……。 |
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女王オヴェリア
「喋っちゃだめ…。 |
占星術士オーラン
「お願いです…。 どうかお聞きください…。
「ゴルターナ公を殺害したのは 我が義父、オルランドゥでは ありません…。
「謀反の疑いをかけられた 義父はラムザ・ベオルブと 共にベスラ要塞を脱出…
「今は、教皇の謀略を阻止するために 戦っているはずです……。 |
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女王オヴェリア
「伯が謀反など起こすはずがないと 信じておりました…。 |
別の荒々しい声
「オヴェリア様ッ! ご無事ですかッ!! |
女王オヴェリア
「では、いったい誰が ゴルターナ公を…? |
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占星術士オーラン
「それは…… |
南天騎士団騎士
「オヴェリア様、 お怪我はございませんか!! |
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南天騎士団騎士
「ここにいたぞッ!! |
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聖騎士ディリータ
「おまえたちは この部屋から出るんだ。 |
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南天騎士団騎士
「はぁ? |
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聖騎士ディリータ
「部屋から立ち去れと言っている! |
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南天騎士団騎士
「し、しかし……。 |
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聖騎士ディリータ
「二度は言わんぞ。 |
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南天騎士団騎士
「は、はい。 |
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女王オヴェリア
「お願い、オーランに 乱暴なマネをしないで! |
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聖騎士ディリータ
「バカなことをしたな、オーラン。 |
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占星術士オーラン
「こ…、この裏切り者め…。 |
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聖騎士ディリータ
「…いいじゃないか、おまえだって それを願っていたはずだ。
「だいたい、周りを見渡してみろ。 本気で悲しんでいるヤツなんて 一人としていないんだぜ。
「それに、おまえの親父を死んだことに してやったんだ。誰にも追われること なんかないんだ。感謝して欲しいぜ。 |
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占星術士オーラン
「ふざけたことを…! |
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女王オヴェリア
「どうして……、どうして そんなことを……? |
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聖騎士ディリータ
「言ったろ、おまえを本当の王に してやるってね…。 |
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女王オヴェリア
「嘘よ! あなたは私を利用しようと している……! |
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聖騎士ディリータ
「オレの言うことを信用しないのか。 |
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女王オヴェリア
「………。 |
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聖騎士ディリータ
「どうなんだ、オヴェリア。 |
女王オヴェリア
「信用したいわ……。 でも……。 |
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聖騎士ディリータ
「オーランと話がある。 おまえは自分の部屋へ戻るんだ…。 |
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女王オヴェリア
「お願い……。 彼に乱暴なことはしないで……。 |
聖騎士ディリータ
「わかった。 約束するよ……。 |
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占星術士オーラン
「さあ、もういいぞ…。義父の汚名を 晴らしたかっただけだ。
「ひと思いにやってくれ……。 |
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聖騎士ディリータ
「何を言っている? 死んでもらっては困るんだよ。 |
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占星術士オーラン
「…こんなオレに どんな利用価値があるっていうんだ。 |
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聖騎士ディリータ
「おまえはオレに仕えるんだよ。 |
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占星術士オーラン
「はっはっはっ… ふざけたことを…。
「死んでも断る! |
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聖騎士ディリータ
「いや、おまえはオレに 逆らうことはできないのさ。
「…オレは北天騎士団を倒す。 倒して畏国を平定する。 そしてオヴェリアの国を作るんだ。
「もちろん、教皇も倒す。 オレは教皇の犬じゃないからな…。 |
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占星術士オーラン
「本気で言っているのか? おまえはいったい……? |
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聖騎士ディリータ
「オレの正しさをおまえなら 認識できるはずだ。
「オレのやろうとしていることは 圧倒的に正しい。
「平民出の騎士見習いが 騎士団を動かすようになり 乱世を平定する…。
「わかりやすいじゃないか…。 民が求めてる“英雄”なんて 所詮、そんなものだ。 |
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占星術士オーラン
「そのために、おまえは すべてを利用する…? |
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聖騎士ディリータ
「いけないのか? |
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聖騎士ディリータ
「どうした? このオレを殺すか? |
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聖騎士ディリータ
「おまえが、教皇の送り込んだ “刺客”ってことはわかっている。
「オレが裏切るようなら 即座にオレを殺すつもりなんだろう? |
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聖騎士ディリータ
「さあ、その剣でオレを刺すんだ。
「どうした、こないのか? かかってこいよ…。
「こないのなら、こっちからいくぞ…! |
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