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『囚われた雷神シド』 |
ベスラ要塞に到着したオルランドゥ伯を待っていたのは、ゴルターナ公に対する謀反の嫌疑だった。
教皇の計略に気付かぬゴルターナ公は、潔白を主張する“雷神シド”の投獄を命じると、ディリータに聖騎士の称号と、南天騎士団の指揮権を与えた…。
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オルランドゥ伯
「どういうことだ? 謀反の容疑だと? |
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南天騎士団騎士
「…お願いいたします。 おとなしく命令に従ってください。 |
オルランドゥ伯
「ばかな。何故、この私が謀反などを 起こさねばならんのだ!? |
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ゴルターナ公
「…残念だよ、シド。 貴公が謀反を企てるとはな…。 |
オルランドゥ伯
「本気でおっしゃっておいでか? …謀反など考えたこともありませぬ。 |
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ゴルターナ公
「証拠があるのだよ。
「貴公が密かに教会と接触して、 私を失脚させようと働きかけている そうじゃないか。 |
オルランドゥ伯
「ばかな!! いったい誰がそんな嘘を!! |
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ゴルターナ公
「まだ、シラを切るのかね。
「貴公の裏切りをお嘆きになった 教皇猊下がわざわざ知らせを くださったのだ。 |
オルランドゥ伯
「閣下! それは教皇の陰謀ですぞ! |
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ゴルターナ公
「陰謀だと? …なんと畏れ多いことを。
「それこそ、証拠でもあるのか? |
オルランドゥ伯
「閣下にお仕えして二十数年…。 その私を信用していただけないとは。 |
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ゴルターナ公
「…たしかに、わしは貴公の 騎士団がなければ戦争もできん。
「本当に残念だよ、シド…。
「連れて行けッ!! |
騎士ディリータ
「閣下、お呼びでございますか。 |
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ゴルターナ公
「引き続き、ミュロンドとの連絡を 取り合うようにしてくれ。
「教皇の詔勅(しょうちょく)さえ 手に入れば、ラーグを失脚させること など赤子の手をひねるようなもの…。 |
騎士ディリータ
「教皇猊下のご意志はすでに決まって おいでです。ご安心を。 |
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ゴルターナ公
「うむ、大儀であった。
「それと、南天騎士団の指揮権を 貴公に与えようと思う。 今日から貴公は聖騎士だ。 |
騎士ディリータ
「ありがたき幸せ! |
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ゴルターナ公
「うむ、頼んだぞ、ディリータ。 貴公だけが頼りだ。 |
騎士ディリータ
「お任せください。 |
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