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ヴォルマルフと呼ばれた騎士
「嘘ではない。 おまえはオヴェリアではないのだ。
「ルーヴェリア王妃をよく思わぬ 元老院のじじいどもが おまえを作り出した…。
「いつの日か、王位を継がせるために 身代わりを用意したのだ。 邪魔な王妃を追い出すためにな。
「やつらのやり口は実に周到だったよ。 上の二人の王子を病死に見せかけて 暗殺し、おまえを王家に入れた。
「病弱なオムドリアに新たな王子が できるとは思えなかったのでな、 自動的に王位はおまえのものだ。
「ところがオリナスが誕生した。 …いや、いまだに王子がオムドリアの 子であるかどうかなどわからん。
「ラーグ公が実妹を王の母にするために 外から“種”を 用意したのかもしれん…。
「いずれにしても、 元老院のじじいどもの計画は 台無しになったのだ。 |