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 『聖石を持つ男』
 前線よりゼルテニア城に帰還したオルランドゥ伯をオーランが出迎えた。 オーランは畏国各地でおきた聖石をめぐる一連の事件、そして教会および神殿騎士団の動向を義父に報告する。
 懐中から取りだした聖石『リーブラ』を見つめオルランドゥ伯は来るべき戦いを予感する…。



ゼルテニア城


占星術師オーラン
「義父上、お帰りなさいませ!

オルランドゥ伯
「うむ…、元気だったか、オーラン。

占星術師オーラン
「はい、私は大丈夫です。
「前線はいかがですか?
オルランドゥ伯
「おまえも知ってのとおり、
 ひどいものだよ。
「味方が味方の監視をしながらでないと
 戦えんほどだ。わしの名も地に
 墜ちたものだな、はっはっはっ。
占星術師オーラン
「ご冗談を…。それを言われるなら
 ゴルターナ公でございましょう。
「義父上がいるからこそ、
 他の将軍たちがここにいるのだと
 皆、ウワサしております。
オルランドゥ伯
「主君に生涯の忠誠を誓い命を捧げる…
 それがオルランドゥの家訓だ。
「滅多なことを言うものではない。
占星術師オーラン
「すみません。
 口が過ぎました。
オルランドゥ伯
「まあ、よい。…それよりも
 例の件はどうなった?
占星術師オーラン
「機工都市ゴーグで聖石らしき
 クリスタルが発見されたこと、
「亡くなった枢機卿が
 五十年戦争末期にゼラモニアの古城で
 聖石を発見したことは事実でした。
「また、神殿騎士団が
 暗躍しているようですが、
 何をしているかまでは不明です。
オルランドゥ伯
「ミュロンドへ放った“草”は
 どうした?
占星術師オーラン
「残念ながら…。
「できれば、教皇の謀略の証拠を掴み、
 和平への糸口と
 したいものなのですが…。

オルランドゥ伯
「やつらはいずれ、
 これに気付くだろう。
「その時が本当の戦いかもしれぬ…。