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 『ディリータとの再会』
 ゼイレキレの滝でオヴェリアを誘拐したディリータが北天騎士団に襲われていた。その戦いの中で、王女誘拐はゴルターナ公を失脚させると同時に、王位の第二継承者である王女の暗殺を狙ったラーグ公の狂言であることが発覚した。その奸計に一枚かんでいたガフガリオンは敵にまわるが、ラムザは王女の味方についた…。


騎士ディリータ
「オヴェリア王女をオレに預けるんだ。
 その方がお姫さまのためだぞ。

剣士ラムザ
「ディリータ、きみはいったい
 何を企んでいるんだ…?

騎士ディリータ
「企む? とんでもない。
 オレは真実を言っているだけさ。
「そうだろ? 北天騎士団を
 敵にまわしたおまえたちがお姫さまを
 どこへ連れて行くっていうんだ?
「すぐにおまえたちを捕らえるために
 北天騎士団の精鋭たちが
 やってくることだろう。
「いったいどこへ逃げるつもりなんだ?
剣士ラムザ
「そ、それは…。

騎士ディリータ
「よく考えてみろ。
「ラーグ公の計画ということは
 王妃も知っているってことだ。
 つまり、王家は味方じゃない。
「なら、ゴルターナ公か?
 いや、それも無理だ。自分の疑いを
 晴らすためにおまえを処刑するぜ。
騎士アグリアス
「おまえならどうするというんだ?
騎士ディリータ
「おまえたちにはできないことを
 するだけさ。
剣士ラムザ
「どういう意味なんだ?
騎士ディリータ
「さあな…。

騎士ディリータ
「おまえにお姫さまを
 もう少し預けておくことにしよう。

剣士ラムザ
「ディリータ…
 また会うことができて嬉しいよ。

騎士ディリータ
「ティータが助けてくれた…。
剣士ラムザ
「え?
騎士ディリータ
「あのとき、ティータがオレを
 守ってくれたんだ…。
剣士ラムザ
「………。

王女オヴェリア
「感謝いたします、ディリータさん。

騎士ディリータ
「また会おう、ラムザ。

騎士アグリアス
「ラムザ、
 加勢してくれたことに感謝する。
「しかし、よいのか?
 北天騎士団を敵にまわしたのだぞ。

剣士ラムザ
「気にしないでください。
 自分で選んだ道です。
「それより、これからどうします?
 ディリータの言ったとおり、僕らを
 助けてくれる人はいない…。
騎士アグリアス
「ドラクロワ枢機卿に助けを
 求めてみようと思う…。
「ライオネルはグレバドス教会の
 所轄領だ。教会ならなんとか
 してくれるのではないだろうか…。
剣士ラムザ
「たしかにライオネルなら北天騎士団も
 うかつには手を出せない…。
「行きましょう。
 僕らはそこへ行くしかない。